いつもは最大限気を張って望む場所
私にとってムシャ島はそんな場所だが
初めてのガイド的な立場での参戦ということで
少しばかり気持ちが緩んでいた
しかしやはりそんな気持ちを打ち砕くべく
ムシャ島はまだまだ新しい驚きを与えてくれた
今回の主な目的は同じG1のメンバーによる
土壌の飽和透水係数の計測と
マイクロライシメーターによる蒸発量の算出
これによってムシャ島に降った雨が地下に浸透し
地下水となって存在し得るのか予想できる
とてつもなく壮大な
そして重大なミッションである
同じグループにして調査に同行したのは初
統率の取れたチームプレーが特徴的であった
時折突発的に発射する
S先生のジョークを掻い潜り
真剣に作業をこなす学生陣は
日頃から相当鍛えられているのだろう
そんな作業風景を横目にわたしは
引き寄せられるように群落へと入っていった
するとそこには
R.mucronataが枯れた跡であろう場所と
その向こうに健康な若木の群落
ムシャ島にもちゃんと更新が行われていた
そしておもっていたよりかなり多くの
コヒルギが生育していたことを知った
たかが小さな島と侮っていたが
ムシャ島の懐はまだまだ深いらしい
そしてムシャ島で初めて見た光景
それは
大量のマングローブリターが横たわるベッド
西岸からの潮流によって運ばれたリターは
この少し標高が高い場所が堤となり
そこにたまっているように見えた
こんな小さな島でさえ
毎回のように違った驚きを与えてくれる
自然科学に携わる道を選んだ以上
気が緩んでいる暇などないのだと
地球が教えてくれている気がした
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