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コヒルギパラダイス

いつもの港から舟で2時間半

グベ湖に差し掛かる少し手前の

岩で囲まれ隠された秘境

 

私はそれをコヒルギパラダイスと呼ぶ

ジブチのマングローブといえば

ムシャ島、コールアンガー、ゴドリア

まぁそのあたりが有名といったところ

それぞれ特徴は違えど共通しているのは

Rhizophora mucronataAvicennia marina

主にこの2樹種によって構成されている点だ

 

しかしここはその岸壁に囲まれた

類まれなる景色に加えて

群落構成種も他地域とは異なっている

 

海岸に近い場所はCeriops tagalで占められ

奥に行くほどR.mucronataが増えていく

 

そう Avicennia marinaはいないのだ

 

いつものようにうっそうととした水路を進み

日が差し込む開けた場所に出た瞬間

思わず声を上げた

私たちを迎えたのは

きれいに立ち並ぶC.agalの若木と

とんでもない数の胎生種子

今までとは完全に異なる景色に

しばらく理解が追い付かなかった

 

そもそも、ジブチ南部の沿岸部に

これほどのR.mucronataがいる時点で

相当な驚きなのに

そこに加えてコヒルギパラダイスとは...

 

襲い来る猛烈な尿意と闘いながら

ちっこい舟で2時間以上かけて

ここまで来た価値がありすぎて

今後の研究妄想が止まらない

 

ちなみに

朝まで仕事で寝てない中来てくれた

イブラヒムニキは

ゆうに100kgを超えるその体重を活かし

荒れ狂う高波の中安らかに寝ていた

人生で初めて体重が欲しいと思った瞬間だ

 

あ、帰りにジンベエザメと遭遇しました