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ケフィアじゃなくてケフィエ

 今回のお話は

theアラブ感を演出するのに

必要不可欠なあのアイテムのお話だ

恐らく最も広く知られているのは

シュマグという名称ではないだろうか

一般的にシュマグとは

アラビア半島での呼称で

白地に赤や黒の模様があるものを指すらしいが

地域によってその呼び方は様々で

これがなかなか混乱のもとである

そしてその混乱をさらに煽るかたちになるが

パレスチナでそれは ケフィエと呼ばれている

 

恐らく皆さんがこれらをイメージするとき

セットになって連想されるのは

イスラム圏や中東の兵士ではないだろうか

 

しかしこれらは本来

湾岸諸国における男性を象徴する文化で

民族性や身分を表す重要な要素のひとつである

 

これらのルーツは実はパレスチナにあり

歴史が古いパレスチナにとってこの文化は

私たちが考えるよりはるかに重要であり

それはその模様が持つ意味にも反映されている

 

あるときからこのケフィエは

彼らが辿った歴史を語るかのように

パレスチナの抵抗の象徴と呼ばれるはじめた

 

それをそのまま鵜呑みにするわけではないが

そんな事情を知ったからにはもう

イスラム圏の人間が多く暮らすこのジブチで

安易にこれを頭に巻くことはできなそうだ

 

ちなみにこの白黒のショール

「アラファトショール」という名がついていた

アラファト議長のやつとこれとでは

柄の入り方が少し違う気がするが

まぁわかりやすいのでよし

どこの民族にもそれ相応の象徴は存在する

しかしこのケフィエのように

日常に深く入り込んでいるのも稀だろう

 

それがよいか悪いかは別として

日本人にとってのそれは何だろう

 

何もかもを敗戦のせいにすることは簡単だ

しかしだからといって

日本人としての象徴を誇りに思うことを

忘れていい理由にはならない

 

ある文化の存続を考えるとき

当事者たちが誇りを持っていなかったら

その文化に何の意義も見いだせないだろう

 

今の私たちに必要なのは

旭日旗や旧日本軍の行いを恥じることではなく

それらを受け入れたうえで

民族の誇りを持ち続けることではないだろうか